保育士の発達障害者の就労経験談と感想|職業お勧め度は★2

介護・福祉関連職業

実際に働いた発達障害者の方がそのお仕事をどのように感じているのかアンケートを取ってみました。

実際の経験を基にして発達障害者に向いているかも書いていただきましたので参考になると思います。

これからやってみようかな~など考えてる人は是非読んでみてくださいね。

神奈川県の保育士Fさん(30歳女性)の体験談と感想

業種/職種:児童福祉業/保育士

就労地域:神奈川県

就労区分:パート

最終的な給与:月給12万

業務内容

保育補助…フリー保育士として、0~5歳児クラスに入り、クラス担任の保育士と協力して保育を行う。
その他庶務…書類執筆、教材作成、消毒・掃除等

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働いて良かったと思う点・やりがいがあった点

子供たちの成長を日々感じながら仕事ができる。
対人スキルが上がり、他人との会話に以前ほどの苦痛を感じなくなった。

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働いているときに困った点、苦労した点

ルーティン以外のことに対応するのが困難で、わからないとパニックになりフリーズしてしまうので、細かな業務まで全て頭に入れて対応していかなければならないことに苦労している。

また、電話応対が苦手で、聞き取れない、聞き取れても内容を理解して処理するのに時間がかかるなどの困難がある。

発達障害者は「保育士」に適性があると思いますか?

保育士はマルチタスクが多く、臨機応変に行動できることも強く求められるので、向いてはいないと感じる。
特に、イレギュラーな場面では、自分がパニックを起こしてしまうと、お預かりしている子供たちを不安にさせてしまうなど、保育業務に支障が出てしまう。

どんなにさまざまな場面を想定していても、職場の特性上、必ずイレギュラーな場面に遭遇してしまうので、発達障害者にとって、保育士という仕事はとても難しいと感じる。
私は現在パートだが、正規でクラス担任をもっている保育士となれば、ますますそう言えると思う。

人間関係はどうでしたか?

現在の職場では良好だが、環境(場所や人間関係含む)に慣れるのに非常に時間がかかるので、他の職員と普通に会話が楽しめるようになるまでに数年かかった。

辞める時はスムーズに辞めることができましたか? 就労継続中の場合は続けれている理由をお願いします。

人間関係が良好に築けていること、パートという形で無理なく仕事ができていることから、続けることができている。

発達障害者へのお勧め度を教えてください:「保育士」のお勧め度2:★★☆☆☆

あまりおすすめできない。
マルチタスク、臨機応変さが求められるという、発達障害者には過酷な業務。

ただ、毎日同じ業務の繰り返しではなく、多少の変化を感じられるという点では、飽きっぽいという発達障害者の特性には合っているともいえると感じている。

滋賀県の保育士Pさん(59歳女性)の体験談と感想

職種:保育士

障害の種類:広汎性発達障害(ADHD,ASD,LD)

就労区分:正社員

就労地域:滋賀県

最終的な給与:月給約14万円

業務内容

保育業務全般。最終年は2歳児クラスの担任。

デイリープログラムに沿って保育を進める。
生活指導(トイレトレーニング、食事指導、午睡準備、寝かしつけ、おやつ)遊びの指導。
園児の荷物の管理、連絡帳記入、保護者対応、事務仕事(月案、週案、日誌、児童票の作成、記入)

働いて良かったと思う点・やりがいがあった点

自分の資格が生かせて、子ども達の成長を目の当たりに出来てやりがいは大きかったです。

特に大きな行事は準備が大変な分無事に終わると達成感を感じました。
自分の担任した子供たちが卒園していく姿は感無量でした。

働いているときに困った点、苦労した点

読むのが苦手な方はオレンジの部分だけチェックしてください*

私の若いころは発達障害という概念が無かったのですが、最初に就職した保育園では片付けができなかったり、一度に複数のことが出来なかったり、自分は普通にしゃべっているつもりが相手にとっては怒られているような印象を与えてしまうところがあり、同世代の先輩方から総スカンを食らいました

朝に弱く起きられず保育園の早出の仕事の鍵開けに遅刻することもありました
なぜ自分が嫌われているのかが全く分からず、理不尽なことをされてもその倍以上のエネルギーで仕事をして周りに文句を言わせないようにしていたと思います。

しかし年齢とともにそういうエネルギーだけでは解決できなくなり、結婚や出産などで一時離職。
臨時職員として市の公立園で復職した頃は何故か発達障害的なものがなりを潜めていたようでしたが、息子が小学生になったころから登校拒否が始まり、息子に発達障害があることが分かり自分も調べたら発達障害だったということがわかりました。

生きにくさの原因はこれだったのかと感じました。
発達障害のしんどさは年齢によって変化していくのか、更年期に入った頃あたりから感覚過敏の症状が現れ、子どもたちの嬌声や鳴き声などを聴くとめまいがするようになったり、声の大きな職員の怒鳴り声が耐えられなくなりました。

自分が叱られているわけではないのに自分が叱られているような気持になってとても辛くなり大きなストレスに。
その上もともと朝が弱かったところに辛さが加わり時差出勤が出来なくなりました。
朝起きられなくなり心療内科を受診したら双極性障害と診断され、仕事のペースを落として勤務してましたがやはりしんどくて臨時職員の期間満了を待って年度末に退職しました。

発達障害者は「保育士」に適性があると思いますか? わからない場合はあなた自身に適性があったかどうかお答えください。

読むのが苦手な方はオレンジの部分だけチェックしてください*

保育の勉強をしている時には、きっと自分には保育士の適性があると信じて疑わず、就職してからもエネルギッシュに仕事をしていました。

ピアノや歌を歌う事、絵を描くこと等々、技術的な事には自信がありました。
発達障害という概念が無かったので片付けが出来なかったり、朝なかなか起きられなかったり、人との関わりについてもこれが自分の体質や個性だと思っていました。

周りを見渡すと、同じようなしんどさを抱えていたり、この人ちょっと変だな、と感じる人は結構居られました。
自分が発達障害だと気が付かないまま仕事をしている人は多いと思います。

しかし普段の通常通りの保育だけなら何とかなるようでも、非常事態などにはパニックになりどうしていいのかわからなくなったり、慌てふためいてしまって仕事にならないということはあり得ると思います。

ADHDの人は人間嫌いではないので周りの人とフレンドリーに接することが出来ると思いますが、ASDの人には職員間の人間関係や保護者対応など、対応が複雑になるとそれが一番のストレスになるかもしれません。

わたしはADHD傾向が強いので「元気いっぱいの面白い先生」で通ってましたが、普通の人ができる片付けや整理整頓、仕事の優先順位付け、朝のしんどさを含む生活リズムの不安定さは「どうして自分はちゃんとできないのだろう」という思いはいつもありました。

技術に長けてても普通の人が普通にできることが出来ないというのが発達障害のしんどいところだと思います。

そういう意味ではしんどさが付きまとうので本人にとっては辛いです。適性の有るなしですっぱり分けるのは難しいですが、自分が発達障害でしんどいとわかっていたらわざわざやらなくても良い仕事なのでは?とこの年になってからはそう思います

人間関係はどうでしたか?

読むのが苦手な方はオレンジの部分だけチェックしてください*

ADHDなのでフレンドリーに元気よく人と友達になろうとしますが、勢いがありすぎてあなたといるといつも怒られてるような気持になる」とよく言われました。

ASD傾向もマイルドにあるので、その日の気分で人との接し方が変わったりするせいか、出会った頃は盛り上がって友達付き合いもたのしいけど、時間が経つにつれて友達関係が自然消滅してしまう。ということが多かったです。

こういう人付き合いしかできないのが不思議でならず、ずっと疑問に思ううちに気分障害(双極性障害)を発症しているとわかり、そこからは最低限度の人間関係以外は全て断ち切って5年間引きこもり生活になりました。

今でも基本的には向こうから話しかけられたことに対しては答えるという形で人と関わるというのを心掛けて、自分からぐいぐい入っていくということは避けています。

辞める時はスムーズに辞めることができましたか? 就労継続中の場合は続けれている理由をお願いします。

双極性障害を発症後、すぐに園長に相談し、勤務体制を変えてもらいました。

(午後からの勤務だけ、など)そのうち鬱症状がひどくなり医師から診断書を書いてもらい、契約期間満了を待って退職しました。

発達障害者へのお勧め度を教えてください:「保育士」のお勧め度2:★★☆☆☆

保育の仕事は技術が高くても人との関わりが深い仕事なので、技術的な事は努力で何とかなりますが、普通の人が普通にできることが出来なかったり辛かったりします。

周りの理解がどうしても必要になると思います。そこをクリアしたら仕事はできるのではと思います。

 

*発達障害者の職業適性データを集めております。ぜひあなたの就労経験をお聞かせください。
貴方の経験が他の発達障害者の助けとなります。

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